ピストンサイクルとバルブタイミング
(ガソリンを燃やして回転動力を作るしくみ)

ピストンサイクル…っていうとガソリンが爆発して自転車を漕ぐような感じでクランクシャフトを回している…そんなイメージを抱いている人も多いんぢゃないでしょうか?
…そうです!そのまんまです!!(笑)
ここでは、キャブレターから送られてきた混合気がどういう過程で燃やされ、また、燃やされたエネルギーをどうやって無駄なく回転エネルギーまで持っていくかについて語ります。


MINIのエンジンは一般にオーバーヘッドバルブ(OHV)方式のエンジンが搭載されています。このタイプのエンジンはバルブの開閉タイミングを司るカムシャフトがクランクシャフトのすぐ横にあり、もちろんシリンダブロック内にあります。左図はMINIのじゃないですが、ま…似たような構造です。
ここで、カムシャフトは見ての通り、タマゴ型をしています。このタマゴのテッペンがプッシュロッドを押さえて、そいからロッカーアーム経由でバルブを押さえて、バルブを開きます。
この図は断面図なので解りませんが、1つのヘッドに付き、このようなバルブが2つあります。それは、吸気用バルブと排気用バルブの2種類です。
つまり1本のカムシャフトで(排気バルブ+吸気バルブ)×4気筒分のバルブの開閉タイミングを司っているワケです。

さらに進化したエンジンにHONDA車でよくみかける「DOHCツインカムエンジン」なるものがあります。このタイプのエンジンはカムシャフトがロッカーアームのすぐ横にあります。その上、カムシャフトとロッカーアームが2本づつあり、それぞれが吸気系と排気系に分かれているといった複雑な構造をとっています。


次にピストンサイクルについて説明します。このサイクルはクランクシャフト2回転に1周期の割合でサイクルが進んで行きます。
吸入過程(0'〜180')

吸入(インテーク)バルブが開き、ピストンが次第に下がっていって混合気を導入している過程。

圧縮過程(180'〜360')

全てのバルブが閉じ、気密状態でピストンが上がっていき、導入された混合気を圧縮していく過程。

燃焼過程(360'〜540')

圧縮された混合気が、パワープラグの着火によって爆発し、気密状態でピストンを押し下げていく過程。

排気過程(540'〜720')

排出(エキゾースト)バルブが開き、ピストンが次第に上がっていって燃焼ガスを排気している過程。

オーバーラップ

排気過程から吸入過程まで次のサイクルに移る移行期間。
バルブは全て開いている。

…とまぁ、こんなサイクルでクランクシャフトが回っているワケです。

実際にクランクシャフトが効率よく回転する為には、4気筒のシリンダが「吸入」「圧縮」「燃焼」「排気」の4過程を各々ずらして、これらの行程をバラバラに行う必要がある事は言うまでもありませんね!(笑)

続きもあるよ!!