もし作業中にケガをしてしまったら
(大事に至らない為の応急処置)

医師「患者さん..指ないですよ..忘れてきたんですか?」
患者「あれ?ホントだ..指ない..今気付いた..」
患者「たぶん..現場に落ちてると思います..拾いにいって良いですか?」
医師「良いですけど..時間的に指の接合は、もう間に合わないと思います」
医師「それよりも先に、この出血の処置からしないとあなたの生命の方が危険です」
医師「残念ですが、指の方は諦めて下さい」
患者「ひぇぇ..わかりました..」

これは実際に、救急病院であった、医師と患者とのやりとりです。
もし、あなたがケガをした場合、応急処置の方法を知っているかどうかで、
あなたの今後の人生に大きく左右する場合があります。
ここでは、特に自動車整備に関する事故について、必要な応急処置について紹介します。


■かすり傷程度の軽いケガ
 舐めて治る程度の軽いキズであれば、患部を石鹸で洗ってカットバンを貼っておく。
 それから、作業を続行する場合、カットバンのガーゼ部分に、ブレーキフルードや
 クーラントなどが染み込んでヒリヒリする場合は、患部を再度、良く洗ってから、
 新しいカットバンに取り替える。


■縫合が必要な程度の重いケガ
 縫合が必要な場合は、神経もやられているケースがある。
 神経がやられていかどうかの確認は、触感神経については難しいが、
 運動神経などは、指などがちゃんと動くかどうかで、ある程度は確認出来る。
 患部を軽く水で漱いで、ただちに外科を取り扱っている救急病院へ行こう!
 大丈夫なようでも自力でクルマ等を運転して病院にいくのは禁物!
 他人に運転を依頼するか、タクシーか救急車を呼ぼう!


■ヤケドした場合
 出来るだけ早く、患部を冷たい水で10分以上冷やす事!
 放っておくと、皮膚がケロイド状になり、別の皮膚病を併発する。
 アロエなどがあれば、皮を剥いて中身のゼリー部分を塗っておく。
 あと漢方薬の「紫雲膏」なんかも有効!
 多量のビタミンC錠剤を飲むと完治が早いとの報告もある


■ブレーキフルードや石油類、クーラントなどが目や口に入ってしまった場合
 ただちに15分以上、水で洗い流す、または、うがいをすること!
 大丈夫なようでも、かならず医者に相談に行くこと。


■ガソリンやシンナーなどを吸って気分が悪くなった場合
 ただちにその場所から遠ざかること!
 野外であれば、当然ながら風上方向に遠ざかる。
 室内であれば、充分に換気を行う。
 大丈夫なようでも、かならず医者に相談に行くこと。


■感電した場合(緊急事態)
 感電してしまったら、真っ先に心臓の脈拍の有無を確認する。
 そして、ただちに病院へいって脳波や心電図等をチェックしてもらう事。
 意識はあっても手足がピクピク動いて、けいれんするようだったら要注意!
 大丈夫なようでも自力でクルマ等を運転して病院にいくのは禁物!
 運転中にけいれん発作を起こして、意識を失い事故を起こすケースもある。
 他人に運転を依頼するか、タクシーか救急車を呼ぼう!


■骨折してしまった場合
 作業中の骨折は、自覚症状が無い場合が多いので始末が悪い
 骨折してしまったら、患部をむやみに動かさず、ただちに病院へいくこと。
 あまり急ぐ必要性はないが、自力でクルマ等を運転して病院にいくのは禁物!
 他人に運転を依頼するか、タクシーか救急車を呼ぼう!
 予後は、カルシウム錠剤に加えて、ビタミンC、D錠剤を服用すると復活が早くなる。


■指などを切断してしまった場合(緊急事態)
 出血多量にならないように、患部の四肢の根元をタオルなどで強くしばっておく。
 切断した指は、発見次第、ただちに清潔なビニールなどで包んでおいてから、
 ビニールごと、氷水に漬けて冷やしておく事。
 準備が済んだら、ただちに外科を取り扱っている救急病院に行く。
 1分1秒を争う緊急事態なので、保険証の事などは考えなくても良い。
 保険証は後日持って行けば良い。
 30分以内に病院で処置すると運がよければ繋がることがある。


■四肢の動脈などを切断して出血がひどい場合(緊急事態)
 貧血で気を失う前に、必ず、救急車や人を呼ぶ事!
 気を失ってしまったら、命はないと思う事! とにかく急げ!
 出血多量にならないように、患部の四肢の根元をタオルなどで強くしばっておく。
 タオルが無ければファンベルトでも何でも良い!
 出血多量はショック死に繋がることを肝に命じておく事!
 準備が済んだら、ただちに外科を取り扱っている救急病院に行く。
 1分1秒を争う緊急事態なので、保険証の事は考えなくても良い。
 保険証は後日持って行けば良い。


■クルマの下敷きになった場合(緊急事態)
大型車の下敷きは、9割以上死ぬと考えて良いので、これについては割愛しておく。
普通乗用車であれば、下敷きになっても骨折程度で済む可能性が高いが、
下敷きになる場所が悪かったら、手指を切断する場合さえある。
それから、下敷きになるとまず身動きがとれない。
意識があれば大声で救援を頼もう!
無事に下敷き状態から脱出できたら、指はちゃんとついているか、カガミを見て
縫合が必要なレベルのケガがないかどうかもチェックすること。
そして、骨が折れているかもしれないので、とりあえずレントゲン撮りに病院に行こう!


おしまい